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キャリアカウンセラー河野志織のブログ

強い情熱を持つということ

久しぶりに小説を読みました。

最近、ずっと実用書ばかりを読んでいたから、

たまにはライトな感じの本が読みたくなって・・・・

 

原田ハマ。

この人の小説が結構好きです。

10年以上も前に『カフーを待ちわびて』を

読んでファンになりました。

 

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

 

  

この作者。

大学卒業後、伊藤忠商事、森ビル美術館、

ニューヨーク近代美術館に勤務ののち、

フリーのキュレーター、カルチャーライターを経て小説家になっている。

 

それだからなのか、

小説がどことなくアートの匂いがちりばめられているのが

私は好きです。

 

で、今回読んだ本はこれ。

『風のマジム』

 

風のマジム (講談社文庫)

風のマジム (講談社文庫)

 

 

主人公は沖縄の通信会社で派遣社員として働く20代OL。

名前はマジム。

そのマジムが社内で公募された新規事業に意を決して応募する

というところから物語がスタート。

その新規事業はなんと『沖縄産のラム酒を作る』

というもの。

ラム酒』を作るなんて、そうそう簡単なことでないことは

物語を読んでいてもわかります。

酒のことを学び、酒を造る工場の立地場所を探し、

醸造家を探す。それ以外にも酒類販売の資格をとったり、

売るための物流を確保したり。

とそれはそれは途方もない調整が待ち構えている。

それを丁寧に1つずつ乗り越えて、

最終的に社内選考を勝ち抜いて、本当に『沖縄産のラム酒』を

製造するというサクセスストーリー。

 

まあ、こう書いてみると

派遣社員の女性が、一念発起して『ラム酒』製造会社の社長になるという

だけなんですけれども・・・(笑)

 

でも私がいいな~と思うのは、

そのサクセスストーリーではなく、

マジムが本気で『沖縄産のラム酒』を作ることに

全身全霊を注ぐところ。

成功するとかしないとか、ではなく、

世界一おいしいラム酒を作りたい。

作って、人に飲ませてあげたい。

ただただ、そのことだけを純粋に思っていて、

変なビジネス上の邪な考えなんて、

ひとっつもないということ。

 

やっぱりね、

本当にいい仕事や本当に人の役にたつ仕事は

真心を込めて取り組み、相手に真摯に向かい合ってではないと

生まれてこないものなんだよな~と

改めて思ったわけです。

 

自分はここまで『作る』ということに情熱を持っているだろうか?

自分はこれほどまでに誇りをもって、そして相手のために心からの

『サービス』を提供しているだろうか?

そもそも自分の仕事にここまで没頭できているだろうか?

 

そんなことを考えてしまった・・・・

 

さて、この本のマジムは

実在の女性をモデルにしているとのこと。

沖縄の民間企業の派遣社員だった金城裕子さんが

設立したラム酒製造会社『グレイスラム』が

本当に沖縄にあるという。

 

HPみたら本当に!

www.rum.co.jp

これ、絶対に飲みたい!

 

それにしてもかっこいいですよね~。

自分の夢を実現するために自らが

行動をする人。

夢を最後まで追い続け、それを本物にする人。

夢を夢で終わらせない人。

 

それができる人とできない人の違いは何だろう?

きっとそれは、自分の仕事や夢に対しての

本気度なんだろうなあ。

『できたらいいな』では弱い。

『絶対に実現したい』という強い思い。

この信念を持ち続けられる人が、

最後に『人を感動させる』何かを創りだせるのだと

思います。

 

いくつになってもそういう人間でありたいな。

そう思ってやみません。